仕事で都内に行って本屋で時間をつぶしていたとき、いつもは立ち入らないデザイン関連の陳列棚でこの本を見つけた。
おみやげに選びたい! ときめくローカルパッケージデザイン
編著:パイ インターナショナル
発行元 :PIE International
帯には「旅先で心がおどる、あたらしくて個性豊かなおみやげ242」とある。
この夏、どこにも行かれなかった私の旅欲は高まっていた。
「旅」「おみやげ」に心惹かれ、子どもの国語辞典ほどの厚みがある、その本をめくってみた。
タイトルどおり心ときめくパッケージデザインに包まれた、日本各地の魅力的な食べものや飲みものが、これまたすてきなレイアウトで並べられていた。
なにこれ、かわいい…欲しい…!
ページをめくるたびに、胸が「キュン!」となる。
でも…裏表紙を見ると、お高いんです。お値段3990円(税別)也。
デザインの本は高額だ。
私はライターですし、デザインを学ぶことにはさじを投げている。
しかも分厚い。重い。どうする…?
その日はPCも持ち歩いていたことだし、いったん、買わずに帰宅してみた。
でも、書店であの本の表紙をめくったときのときめきがどうしても忘れられなくて、娘に相談した。
ちょうど、娘が塾のキャンペーンでもらった¥5000のAmazonギフト券があったのだ。
娘も一緒に見るなら、あのギフト券を使って買わせてほしい、と頼んでみた。
娘は「私も見たいからいいよ」と言ってくれ、めでたくお迎えすることができた。
そして、平日の夜、3日かけてじっくり読んだ。
全242アイテムのおみやげが掲載されているらしく、
地域ごとに色分けされたインデックスが表示されている。
でも、とくにおみやげの種類などで分けられたりはしていない。
読み進めると、スイーツ、コーヒー、調味料、お惣菜などがランダムで現れる。
どのパッケージも、いい。
目につきやすくおしゃれな色づかい、思わず手に取りたくなるキュートなキャラクター、絵画作品のように美しいもの、など四方八方から「すてき」が攻めてくるようだ。
ニヤニヤが止まらない。
「あっこれおいしそう!」「欲しい!」などとひとりごとも止まらない。
各ページには、商品とパッケージの紹介文があり、値段は書かれていない。
それもよい。
純粋にデザインのよさを楽しめると思う。
価格がわかったら、きっと途端にオババ消費者目線になっちゃう。
「あ〜これはかわいいけど高いから、買えないな」って。
雑誌を見ていると、そういう気持ちになることがよくある。
だからこの本は、夢を見たままでいられる。
このクッキーは口に入れたらほろっと崩れて甘みがひろがりそうだな、とか、
こんなに美しいようかんはどんな味なんだろう?とか、
この缶詰は絶対ワインに合うだろうな、とか、
いろんな味やにおいを想像するのも楽しい。
日本各地の特産品を知るのも楽しい。
日本だけでも、私はまだまだこんなに知らないことだらけなんだ、とわかる。
伝統的な食品を、より魅力的に伝えるためのパッケージの工夫がわかるのもよい。
ページをめくるごとに、違う土地、違う世界に旅しているようにも感じる。
この本に出会えたから、おいしそうでかわいくて楽しいおみやげたちと、これから実際に出会うチャンスが広がった。
俄然、旅をしたくなった。わくわくする気持ち。
落ち込んだときに眺めたら、きっと元気がもらえそう。
ときめきとわくわくがいっぱいつまった本でした。
(どうでもいいけどタイトルは某GLAYさんの曲『SOUL LOVE』から……)