宇宙を知らないあなたに届け! 宙(そら)ガールからのラブレター

宇宙を知らないあなたに届け! 宙(そら)ガールからのラブレター

カルチャー

控えめながらも嬉しそうに「星や宇宙が大好きなんです。」と語るのは、フリーペーパーの編集者でありながら、『宇宙兄弟』の公式サイトのWebライターとしても活躍中の松本 有実子さん。自ら「宙(そら)ガール」と名乗り、「宇宙に興味がない人にこそ、その魅力を届けたい」という思いで、宇宙関係のイベントレポートや、月食情報、天体イベントのお知らせなどを発信している。彼女の宇宙愛についてお話を伺った。

宇宙の入り口は渋谷のプラネタリウムだった

彼女が、宇宙に興味を持ったきっかけは何だったのだろうか。

「宇宙との出会いは社会人になってから。行きつけのヘアサロンの美容師さんから『とってもきれいだよ!』と勧められて『コスモプラネタリウム渋谷』に行ってみたんです。そしたら、想像以上に居心地がよく、心が癒される感じがして。星空の美しさにも魅了され、神秘的な世界観に引き込まれました。そこから宇宙に興味を持ち始め、他のプラネタリウムにも行くようになったんです。」

コスモプラネタリウム渋谷

ビジュアル重視の民間プラネタリウムと、内容重視の自治体プラネタリウム

果たして、プラネタリウムはそんなに数多くあるもの? 松本さんは日本各地のプラネタリウムをまわられたのか伺ってみると……

「一番遠いところだと、宮城県にある『仙台市天文台』のプラネタリウムに行きました。プラネタリウムだけでなく展示室もあって見ごたえがある施設です。
首都圏だと、有名なのはコニカミノルタのプラネタリウムですね。『池袋サンシャイン“満天”』や、『東京スカイツリータウン“天空”』があります。このように民間経営の施設は、プログラムが決まっていて美しい夜空の映像を流す、といった一般受けする内容になっています。きれいだし、ロマンチックなので、カップルでのデートにはぴったりだと思います。」

コニカミノルタ プラネタリウム”満天”

民間運営施設は、雰囲気やビジュアル重視ということらしい。それに気が付くのも宇宙好きならではの視点だろう。

「一方で、自治体が運営している施設は、純粋に星についての知識や専門的な内容を学べます。客層は、私のような天文愛好家や、子ども連れの家族が多いかな。ナビゲーターがいて、今日の星空についてや、その季節に合わせた詳しい解説――例えば冬なら冬の大三角形の解説――をしてくれます。聞いているだけでワクワクして楽しいし、専門的な知識を深めることができるので、星に興味がある人には自治体のプラネタリウムがおすすめですね。」

宇宙愛が満たされる、とっておきのプラネタリウムとは

そんな宇宙大好きな松本さんが「宇宙好きならここは絶対見に行くべき!」と薦めるのは、JR武蔵境駅からバスで15分ほどの場所にある、天文学研究機関の施設だ。

「イチオシは『国立天文台 三鷹キャンパス』の『4D2Uドームシアター』! ここは3D眼鏡をかけて鑑賞するのが特徴です。宇宙空間が立体映像で再現され、星と星との距離感を体感できるので、まるで自分が宇宙空間にいるような気分を味わえるんですよ。解説は天文台の専門家なので意味がわからない言葉もありますが、かなり学びを深めることができます。」

国立天文台 三鷹キャンパス4D2Uドームシアター

宇宙空間を体感できるなんて、聞いているだけで楽しそう! 国の研究機関なら、映像や情報技術の確かさも魅力だろう。では、私のような初心者にも楽しめるプラネタリウムはあるのだろうか。

「私が宇宙にハマるきっかけになった『コスモプラネタリウム渋谷』もおすすめですよ。アクセスがいいのに、意外と穴場なんです。週末は子ども連れも多いので賑やかだけれど、平日は落ち着いて静かに鑑賞できます。仕事帰りにふらっと、星空に癒されに来る人もいるみたいですね。
特徴的なのは、ここの星空解説員さんたち。7名くらいいるんですが、それぞれにオリジナルのキャッチフレーズがついているんです。『旅する星空案内』とか『癒しの星空解説員』とか(笑)。ご自身の体験をもとにした解説や、星の神話とかけ合わせた話をしてくれるので、聞きごたえがあって、非常に満足度が高いですよ。」

コスモプラネタリウム渋谷

「好き」を「仕事」に。宇宙の魅力を読者に届ける喜び

施設によって、こんなにも特色の差があるとは! 多くのプラネタリウムを訪れ、宇宙への知識を深めた松本さん。彼女が宇宙ライターになれたのは「好き」を発信し続けたからだと語る。

「プラネタリウムをいくつもまわっているうちに、やっぱり実際の星空を見てみたくなってきたんですよね。そこで、社会人の天文サークルを探して、参加するようになりました。その活動の中で、宇宙や星が好き! という気持ちを周囲の人に伝えていたら、サークルの知人から、『そんなに好きならやってみない?』とライターの仕事を紹介されたんです。」

彼女の宇宙愛が仕事を呼び寄せたと言えるだろう。大好きなことを仕事にするって、どんな気持ちなのか伺うと……

「やっぱり大好きなので、宇宙の情報を調べたり、取材したりすることで、自分の知識が高まることは単純に嬉しいし、楽しいです。でもそれ以上の喜びは、読者に私の思いを伝えられること。
宇宙って、一般的にあんまり興味を持たれる分野ではないですよね。だからこそ、宇宙や星の魅力ってこんなことがあるんだよ、こんな風におもしろい天体の情報があるんだよ、って、多くの人に知ってほしいんです。」

宇宙兄弟 オフィシャルウェブサイト

「例えば、最近注目を集める宇宙旅行。第1便の切符を持っている人に日本人もいるらしいです。また、月の移住についても基地を作る計画もあるらしいので、宇宙はこれからさらに注目を集める分野。宇宙ビジネスは、今後もっと身近になっていく。その情報を多くの人に届けたいです。」

こちらの質問1つにも、次から次へと詳しく答えてくれた松本さん。ていねいな言葉でつづられるいくつもの情報は、宇宙への愛と、確かな知識に裏付けられていると感じる。

松本さんの「好き」という純粋な気持ちは、きっと、まだ宇宙の魅力を知らない誰かの役にも立つに違いない。

(インタビュイープロフィール)
松本 有実子(まつもと ゆみこ) 東京造形大学 美術学科を卒業。
児童劇劇団やIT企業にて、イラストレーターやデザイナー、社内報の編集などを経験。
現在は、株式会社リクルートライフスタイル ホットペッパー編集部で編集者としてエステ記事を担当している。
また、副業として「宇宙兄弟」公式サイトで宇宙ライターとして活躍中。

<ライターはやなおの一言>
このインタビュー記事は、さとゆみライター講座3回目宿題でした。受講生同士で、その人の一番得意なことについてインタビューし、WEB記事にする、という課題。私は、ライターの松本さんにインタビューさせていただきました。私がほとんど知らない「宇宙」について話をしてくれた松本さんは、キラキラして本当に楽しそうで、こんなに夢中になれることがあるのって素敵だな、羨ましいな、と感じました。